仕事や日常でちょっとしたミスをすることがあると思いますが、
このちょっとしたミスの対策をしないとやがて大きなミスやトラブルを引き起こすことになります。
事故や災害を未然に防ぐ「ハインリッヒの法則」というものをご紹介します。
ハインリッヒの法則とは
1920年代にアメリカのハーバード・ウィリアム・ハインリッヒがある工場で調査し「1:29:300」という比率を導き出しました。
1件の重大な事故が起きた背景には、29件の事故が起こり、300件もの「ヒヤリ・ハット」した事故寸前の事例が起きているという法則です。労働災害での事故の発生についての経験則。
職場などに置き換えると、取り返しのつかない大きなミスが1件ある背景には軽微なミスが29件、ミスはしなかったが、もう少しでミスになる案件が300件あるということになります。
自分自身も仕事で、些細なミスを放置して再発して大きなミスになってしまったという経験が何度もあります。
ヒヤリハットの具体例と対策
ヒヤリハットした事例から、事故や事が大きくならないためにどのような対策ができるのでしょうか。いくつかの例を参考に考えてみましょう。
ヒヤリハット事例①
朝、起きるべき時間にアラームをセットしたが、アラームを止めて2度寝してしまい、
会社に遅刻しそうになった。
ハインリッヒの法則を当てはめると
どのようなことが考えられるでしょうか。
ここぞという時に、大遅刻して会社の大勢の人に迷惑をかけ、信用を失う=1件
人に迷惑をかけてはいない程度の数分遅刻をした=29件
遅刻しそうになった=300件
どのような対策をするべきでしょうか?
アラームを複数セットする。
予定より早く起きる。
早く寝る習慣をつける。
ヒヤリハット事例②
従業員の接客態度が悪いとお客様から注意された。
ハインリッヒの法則を当てはめると
どのようなことが考えられるでしょうか。
お客様を怒らせて重大なクレームが発生=1件
接客態度が悪いとお客様から注意された=29件
接客態度に不満を抱いている=300件
どのような対策をするべきでしょうか?
お客様の意見を真摯に受け止め接客研修を実施。
従業員の接客を個別に見直し。
ヒヤリハット事例③
夜間に散歩していて、自動車にひかれそうになった。
ハインリッヒの法則を当てはめると
どのようなことが考えられるでしょうか。
自動車にひかれてケガをした。=1件
自動車に接触して転んだ。=29件
自動車にひかれそうになった。=300件
どのような対策をするべきでしょうか?
散歩は夜間はしない。
反射するものを身に着ける。
ライトを持って散歩する。
ヒヤリハット事例④
自動車を運転中、車道に出ようとしたら、歩行者にぶつかりそうになった。
ハインリッヒの法則を当てはめると
どのようなことが考えられるでしょうか。
歩行者とぶつかりケガをさせてしまった=1件
歩行者と接触してしまった=29件
歩行者とぶつかりそうになった=300件
どのような対策をするべきでしょうか?
車道に出る前に一時停止して左右確認を行う。
見通しの良い場所から車道へ出る。
時間に余裕を持つ
ヒヤリハット事例 ⑤
ポケットにスマホを入れていたら、ポケットから落ちそうになった。
ハインリッヒの法則を当てはめると
どのようなことが考えられるでしょうか。
スマホをポケットから落として画面が割れた=1件
スマホをポケットから落としてキズがついた=29件
スマホがポケットからおちそうになった=300件
どのような対策をするべきでしょうか?
スマホをポケットに入れずバッグに入れる。
ストラップをつけて落ちないようにする。
落としても画面が割れないようにケースに入れる。
重大なミスやトラブルを未然に防ぐには?
なぜ、このようなヒヤリハットが発生したか、状況の把握と原因分析をして同じミスをしないための
再発防止対策を考え、実践する。
ヒヤリハットしたら、いつか重大な事件やミスが発生すると思って絶対に放置はしないことが重要です。職場では従業員がミスを報告しなかったり、隠蔽しないように、常日頃から報告・連絡・相談をしやすい職場環境を整えておくことも必要ですね。
まとめ
ハインリッヒの法則とは「1:29:300」で重大なミスやトラブルは起こるべくして起こるということです。小さなミスがやがて大きなミスになる。
日頃の些細な異常を見逃さないで情報共有する。
「報告・連絡・相談」しやすい職場環境にして情報を吸い上げる。
職場リーダーは再発防止対策や点検を行う。
参考書籍
学びを結果に変える
アウトプット大全
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