ロジカルシンキングという思考法は割とよく聞きますが、ラテラルシンキングはあまり聞きなれない方も多いと思います。
私の仕事はアルバイトやパートさんと接することが多く、学生アルバイトさんや主婦パートさんの意見をよく聞きます。意見と言っても、雑談程度のもので日頃の仕事への不満からプライベートの事など色々です。そんな中で、「ハッ」とする意見が出てくることがあります。
私は今の会社に勤めて約25年たちますが、仕事で問題が発生するとどうしても今までの前例や経験から順序立てて解決しようとしてしまいます。それがゆえに間違ってはいないが、無難な解決方法しか思いつかないことが多い。しかし、入社して間の無い学生アルバイトなどは前例や経験などを知らないで、自由な発想をすることがあり、意外といいアイデアを発想することがありまます。過去に大ヒットした商品や販売方法はアルバイトの何気ない一言(発想)から生まれたなんてこともよくある話です。
これからのビジネスシーンで必要とされる能力がこのラテラルシンキングという思考法なのです。
ということで、イノベーションを起こして、一発逆転できるかもしれないラテラルシンキングについて説明をします。
ラテラルシンキングとロジカルシンキング
ラテラルとは水平という意味で直訳すると水平思考。課題解決思考の一つで固定観念をすてて、
水平方向に自由に発想する思考法。
冒頭にも書いた通り、ビジネスシーンでは必要とされている重要なスキルで、取得するにはかなり難しいと言われています。特に頭のかたいおじさんには少しハードルが高いスキルと言えます。
ラテラルシンキングに対して、一般的な思考法でロジカルシンキングというものがあります。
ロジカルシンキングは客観的に物事を捉えて仕組みや構造を理解したうえで、正確な判断をして
課題解決する思考法。ほとんどの人はこのロジカルシンキングを知らず知らずうちに使っています。
実例
今日のランチは何を食べようか?
①どこで食べるか考える。
(自宅で食事、それとも外食)
②何を食べるか考える。
(和食、洋食、中華)
③どこの店にするか考える。
(和食にするなら、●●へ行こう)
というように、順序だてて考えますので基本、論理的に結論は一つになる。
しかし、ラテラルシンキングは固定観念に囚われず、多角的な視点と自由な発想で問題解決を図るため、結論は1つではありません。
ラテラルシンキングのコツと例題
ラテラルシンキングは前提条件に支配されない、問題自体を疑うこと。
先ほどのランチで言うと、そもそもおなかがすいていないので、食べないという選択肢もあるかもしれません。
それでは、ビジネスの場合はどうでしょうか。いくつか例を挙げてみました。
例①:売上を上げるにはどうしたらいいか?
通常のロジカルシンキングの場合は売上を上げるために何をしたらいいか考えます。
先ずは売上を分析します。売上=客数×客単価なので、客単価を上げるか客数を増やすか考える。その後、客数を増やすにはどうしたらいいか?顧客にDMを送る等の対策になる。
ラテラルシンキングを用いると売上を上げるという課題に対して、そもそもなぜ売上を上げるのか課題自体を疑います。利益確保のため、売上を上げるのだから、経費を削減すれば売上を上げなくても利益が上がることになるので、結果的に課題解決に至る。
例②:万引きが多い書店があり、万引きを減らすにはどうしたらいいか対策を考える。
通常のロジカルシンキングの場合は万引き犯を捕まえようと万引きGメンを雇う、防犯カメラを設置するなど考える。
ラテラルシンキングを用いると 、万引きの多い場所に「お客様のご協力で万引き犯を捕まえることができました。ありがとうございました。」というPOPを(貼紙)取りつける。
まさに万引き犯の心理をついた対策になる。
このように問題自体、課題自体を疑うことを意識して行う。
ラテラルシンキングを取り入れる場合の注意点
ラテラルシンキングは自由な発想がゆえに、課題よって解決できないことがあったり、間違った課題解決がされてしまうこともあるので、ロジカルシンキングで論理的に考察し、その妥当性を確認することが重要です。
思考の順序:①ラテラルシンキングで発想
②ロジカルシンキングで検討
まとめ
- ラテラルシンキングはこれからのビジネスシーンで必要とされる能力。
- ラテラルシンキングとは 固定観念をすてて、水平方向に自由に発想する思考法 。
- ラテラルシンキングは前提条件に支配されない 。
- 問題解決はラテラルシンキングで発想し、その後ロジカルシンキング検討する。
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